「命式」から読み解く人生の流れ:「月柱」「日柱」「時柱」
「四柱推命」は、「命式」を使って、個人の運の景色を紐解いていきます。
「命式」は、生まれた日に巡っていた気を4つの「柱」に分類して表します。
生まれた年は「年柱」
生まれた月は「月柱」
生まれた日は「日柱」
生まれた時は「時柱」
この4つの「柱」は、お互いに影響を及ぼし合いながら存在しています。
そして、その影響から生まれる「彩り」が、その人の個性となって、表に現れたり、心の中で渦巻いたりしていきます。
それぞれの「柱」は
「年柱」は時代背景を
「月柱」は社会の中での立ち位置を
「日柱」は自分の核を
「時柱」は最後に辿り着きたい場所を
表していると言われています。
下の図は、それをまとめたものになります。
最も重要な「柱」は「日柱」です。
これは、変わらない自分の核として、大事に守っていく必要があります。
守っていくとはどういうことなのかと言うと、「日柱」の干支の特徴を磨いていく。
変えようとしない。他人の振る舞いを見て、「あの人そっくりになりたい」と、全て憧れの人のコピーのように振る舞わないこと。それを続けていくと、せっかくの「日柱」の特徴を活かしていないために、なぜか上手くいかない、または、気持ちがついて来ない、このようになります。
「日柱」の活かし方や、表現方法は、その人の立場や年齢などによって変わってきます。
でも、この特徴は熟知して、そして何よりも、「好き」であることが大事です。
次に大事なのは、「月柱」です。
「月柱」は、社会の中で「どんな自分」でいたいのかを示しています。
いわゆる「社会運」とも言えるかもしれないですね。
生まれたばかりの赤ちゃんは、この「月柱」を全く意識していません。
自分と、自分にとって「心地よさ」を与えてくれる環境にしか興味がありません。
そして、成長とともに、自分以外のものがあることに気がついていきます。
「命式」の下の部分は、12個の「十二支」が担当しています。
生まれて12年経つと、全ての「十二支」を体験することになります。
なので13年目は、一周回って次のサイクルが始まるのです。
気の巡りは「進化」を促して進んでいます。
なので、次のサイクルでは、「新たな課題」が与えられるのです。
13年目からの新しいサイクルは、「社会的自分」の確立を要求してきます。
つまり、「日柱」と「月柱」とを上手く掛け合わせて意識することが試されるのです。
13年目から、「他者」の存在が強烈に気になり始めます。
そして、「自分」との違いを見せつけられます。
ここで、「葛藤」が生まれ、「自分とは?」と悩みます。
24年経つまでは、「十二支サイクル2周目」です。
なので、何かしら「葛藤」があるかもしれません。何せ二つの「柱」のバランスを取らなくてはいけないので。でも、悩んだり、考えたりしていくと、それにも慣れてきて、だんだん要領が良くなっていきます。
25年目は「3周目」に入るので、この辺りで、再び次の「課題」がやってくるのですが、要領が良くなっているので、前回ほどはギクシャクしないかもしれませんね。
ただし、あまり要領が良いのも考えものです。
スムーズなのは、「葛藤」がないから。摩擦がないから。
それは、どちらかが我慢して、相手に合わせているからだと考えられます。
人間関係でも同じですよね。
いつもどんな時でも「味方」になってくれる人の「本音」を理解してあげていなくて、失って初めてその「本音」が分かる・・・みたいな感じです。
「社会的自分」は、仕事の場面だけではありません。
「家族関係」「親戚関係」「趣味の関係」「ご近所関係」などなど。
全て「社会」になります。
なので、素の自分で、何も考えずに過ごせる「場所」は、「確保」しておきましょうね。
時が経つのを感じないほど夢中になれることがある人は、その場所をしっかり確保できていると思います。
それから、最近、実は最も重要なのではないかと考えている「柱」があります。
それは、「時柱」です。
「命式」を構成している「十干」と「十二支」の組み合わせは、全部で60個あります。つまり、60年過ごすと、新しい干支のサイクルが始まるのです。
そして、「時柱」を意識するのがこの頃になります。
定年後に、全く違う人生を突然歩きたくなる人は、「月柱」と「時柱」の干支のギャップが大きい人です。ギャップが大きいほど、気持ちの切り替わりも大きく変化します。
60歳で急に方向転換すると、大変かもしれませんね。
なので、その一周前の48歳頃から、「ちょっとした違和感」を大事に感じてみるといいと思います。そうすると、そのサイクルの半分に到着する54歳あたりから、「変化」を感じるはずです。
「十二支」は、見えない「雰囲気」です。
なので、具体的に変化すると言うよりは、自分の気持ちだったり、周囲の人との間で生まれる感情のやり取りなど。
もしかしたら、「違和感」が「確信」に変わるかもしれません。
もしかしたら、「不安」が「安心」に変わるかもしれません。
それは、その人によって違うので、何がどう変わるのかは分かりませんが
「日柱」がしっかりと「軸」になっていれが大丈夫です。
「月柱」から「日柱」を通って「時柱」に、スムーズに気が流れていくと思います。
占星術では、「時柱」にあたる部分は「アセンダント」と呼ばれています。
これは、生まれた時の「東の地平線にあたり、上昇点とも呼ばれます」(「鏡リュウジの占星術の教科書1」鏡リュウジ著 原書房)
「アセンダント」はホロスコープでの第一ハウスの出発点でもあり、そのにあるサイン(星座)は、その人の最の大事な個性となります。
命式では「終着点」であり、ホロスコープは「出発点」である。
全く逆の地点であると言われているのも面白いところです。
「出発点」は「終着点」と同じ「点」である
どんなに回り道をしたとしても、踏み出した一歩は、既に「ゴール」へと向かうことが決められている。
焦らず腐らずコツコツと
進んでいきたいですね。