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「十干」と「十干」が出会って起こる「景色」:「官星」について

十干同士の組み合わせで、どんな「景色」が生まれるのか。

 

 

その「景色」は、命式の個性となります。

それから、巡ってくる十干との関係性からは、運気が見えてきます。

そして、一緒に過ごす人が持っている十干との関係からは、相性が見えてきます。

 

 

同じ五行同士の場合(比劫)については、こちらの記事で書いています。

日主により育てられる五行の場合(漏星)については、こちらの記事で書いています。

日主が剋しにいく五行の場合(財星)については、こちらの記事で書いています。

良かったら、ご覧くださいね。

 

 

今回は、日主が剋されてしまう関係となる五行について書いてみたいと思います。

日主が剋しに行く五行を「官星」と言います。(ノルマの気)

「官星」は、日主を見ると、やっつけに行こうと張り切るのです。

または、「官星」は、日主をコントロールしようとアクションを起こします。

陰陽が同じ場合は「偏官」、同じ場合は「正官」と言います。

「官星」とは「偏官」と「正官」の二つの総称です。

 

 

 

「命式」における「官星」は、社会的立場・役割・コミュニティーの中での立ち振る舞いなどを表しています。

社会の中では、感情のままに振る舞えず、周囲に合わせなくては調和が取れません。なので、自分の感情を押し殺してしまう場面も多々あります。

 

でも、それは悪い事ばかりではありません。

環境に馴染むことで、環境が守ってくれます。

例えば、組織の規律を守る事で、困った時には組織の規律で補償してもらえるみたいに。

 

四柱推命では、男女の気は、陰陽ではっきりと区別をします。「男性は陽」であり、「女性は陰」であると考えます。

「官星」は、「女性」にとって「夫・恋人」にあたります。

これは、「女性」は「夫・恋人」が決めたルールを守る事で、「夫・恋人」から社会的な立場を保証するされていると解釈をするのです。

 

日主は官星により、力を抑えられるため弱まります。

でも、それは、守られるから、強くなる必要はないのです。

 

 

現代では、そのまま当てはめてしまうと、ちょっと無理がありますよね。

では、どのように解釈をするのが妥当なのかと考えると

社会的立場を維持するために、守るべき責任

チームとして仲良くしていくために、抑制する「わがまま」

と考える事ができます。

 

「立場」と「責任」

「仲間」と「個人」

 

この二つの力が、「立場」や「仲間」を重要視する場合は、「責任」「個人」を抱え込む、または、飲み込む。

ただし、あまりに大きな力で剋されてしまう時には、その場所・その仲間によって、日主すなわち、大切な「自分の頭」が潰されてしまうことになります。

 

 

大切な「自分の頭」を守るために、決死の覚悟で戦う、または、その場を立ち去る。

巡る運気で、「官星」がやってくる時には、「転換期」でもあるのです。

頑張り時です!

 

 

それでは、まずは「偏官」から。

 

日主が剋される五行で、陰陽が同じ場合です。

「七殺」とも言われます。

「殺」という文字は、なんとも縁起が悪い感じがしてしまいますが・・・・・

それは、日主を剋してくるからです。息の根を止めてしまうわけではないので、ご安心くださいね。

 

身旺の場合は、強過ぎる日主を適度にコントロールする作用が生まれるために「吉」となります。やりがいのある「課題」に立ち向かいます。

また、陽干の場合も、自分を制御しながら進めるために良い作用を与えると考えます。

身弱の場合は、抑え込まれてしまうために、過度なプレッシャーを感じやすくなります。ストレスを感じやすいとも言えます。

 

 

①「甲」に「庚」

大木を立派な斧で伐採する景色となります。非常に良い組み合わせと言われています。

周囲の期待に応える結果を出す傾向が出ます。

感情で進むのではなく、冷静に形を作り上げていくと、非常に良い結果が出ます。

ただし、「金」が強過ぎる場合には、周囲の意向に振り回されて、プレッシャーを感じます。荒れ狂う斧が、木を切り刻んでしまう景色になるからです。「金」(感情)のコントロールが必要です。

 

②「乙」に「辛」

草花を先手鋏で切り揃える景色となります。フラワーアレンジメントを楽しむイメージでもあります。

全体のバランスを見ながら、着実に計画を進めていける傾向が出ます。

「木」が弱いと、やや慎重になり過ぎる傾向が出ます。

フラワーアレンジメントでは、「メイン」の花を中心にアレンジメントを考えていきます。これと同じように、「メイン」を決めてから、物事に取り組むとスムーズに進めます。

 

③「丙」に「壬」

大海原の水面を太陽が照らしている景色となります。海面がキラキラと輝き、非常に美しい景色なります。

この組み合わせは、四柱推命の中でも、最も良い組み合わせと言われます。

人々を魅了し、壮大な夢に向かって、力強く進んでいく傾向が出ます。

ダイナミックなオーラが出ます。そして、それは安定感のある存在として人々の目に映ります。

 

④「丁」に「癸」

火に水がかけられている景色となります。

「丁」は「癸」に剋されることを嫌います。せっかくの炎が消されてしまうからです。

過度なプレッシャーを感じ投げ出したくなったり、攻撃的な行動をとる傾向が出ます。

火が消されてなるものかと、頑張ります。なので、反抗心が芽生えます。

 

⑤「戊」に「甲」

山に木々が茂っている景色となります。木が生えて根を張ると、山は頑丈になります。

計画が進みやすい時期となります。また、目標達成もしやすい時期です。

身弱の場合は、か弱い山に、立派な木が、根を張り養分を吸い取っていく景色となります。なので、日主の力が弱められ、体力・気力の低下が起こりやすくなります。

 

⑥「己」に「乙」

大地に草花が育つ景色となります。穏やかな景色です。

「甲」と違って「乙」の根っこは繊細で穏やかです。なので、日主は、あまり弱められないと考えます。

気持ちが優しくなり、周囲の人たちのために行動をします。

ただし、「乙」が育ちすぎてしまうと・・・・雑草が蔓延った草原となってしまいます。人の用事が多すぎて、自分の事に手が回らなくなってしまいます。

 

⑦「庚」に「丙」

鉄の塊を太陽が照らしている景色となります。

太陽の熱は、鉄を熱くしますが、溶かすほどの力はありません。炎と異なり、直接、熱を注ぎ込んでいるわけではないからです。

頑張っても報われていない気持ちになりやすい傾向が出ます。

「庚」は熱くなる一方で、実際の手応えを感じにくいのです。

なので、気持ちが焦りがちになります。

 

⑧「辛」に「丁」

宝石が火に燃やされて溶け出していく景色となります。

「辛」は炎によって、形そのものを変えられてしまいます。

周囲からの誹謗中傷を感じやすい傾向が出ます。

感情が揺さぶられるような出来事が起こりやすくなります。(良い揺さぶりもあります!)

ただし、冬生まれや「火」が弱い命式の場合は、「火」は穏やかに暖めてくれるために、周囲の応戦を受ける事ができます。

 

⑨「壬」に「戊」

激しく流れる川を、氾濫しないように土嚢が堰き止めています。

「土」が強い場合には、気持ちを上手くコントロールできますが、束縛されている気持ちを強く感じる傾向が出ます。

「土」が強い場合には、「水」は土嚢を突破して流れようとするために、攻撃的になる傾向が出ます。

突破してしまったら、収取がつかなくなります。なので、感情だけで動かない方が賢明です。

 

⑩「癸」に「己」

畑に雨が降り注ぐ景色となります。

「癸」はどのような場合においても、「土」に剋されることを嫌います。

土に吸い込まれてしまい、なくなってしまうからです。

過度な期待や要求により、プレッシャーを感じやすい傾向が出ます。

「水」が強い場合でも、その傾向が出ます。

 

 

 

次は「正官」です。

 

日主が剋される五行で、陰陽が異なる場合です。

陰干の場合は、陽干の力に負けてしまい抑え込まれます。

陽干の場合は、陰干と干合(かんごう)するため、強烈に抑え込まれます。

干合とは、「真逆」の十干同士の組み合わせです。磁石の「S極・N極」の関係の様に、とても強く結びつくと考えます。それにより、大きな力が生まれます。

 

 

①「甲」に「辛」

大木を枝切り鋏で切る景色となります。

無駄な枝を、サクサクと切り落としていきます。なので、とてもすっきりとします。

ただし、鋏にとって、大木を切り続けるのは負担が大きいです。

無理をすると、精神的に疲れを感じやすい傾向が出ます。

 

②「乙」に「庚」

繊細な草花が、斧に切られる景色となります。

草原を、荒くれ者の斧が、バシバシと除草していくイメージです。

なので、「乙」は「庚」に対して恐れを感じます。

臆病になり、決断や行動ができなくなる傾向が出ます。

 

 

③「丙」に「癸」

太陽の輝きを、霧雨が覆う景色となります。せっかくの明るさが、霧雨によって邪魔をされます。

「丙」の最も大事な働きは、「物事を明るみにする」ことです。

でも、モヤッとした霧雨が一面を包み込むので、明るみにはできません。

満足感や達成感を感じにくい傾向が出ます。

また、テンションが下がりやすくなります。

 

④「丁」に「壬」

火が大量の水に消される景色となります。

「壬」は、とても勢いのある水流です。そんな水流が、火を目掛けてやってきます。

火は水の標的となり攻撃されてしまいます。

恋愛問題でトラブルが起こりやすい時期となります。

自暴自棄にならないように過ごすと「吉」となります。

 

⑤「戊」に「乙」

山に草花が生えている景色となります。

広大な山にとって、草花が生えても、なんら負担にはなりません。

頑張っても頑張っても、まだ「余白」が残っているイメージです。

手応えを感じにくい傾向が出ます。

 

⑥「己」に「甲」

大地に木々が生えています。

二つのバランスが取れている場合は、大地に豊かな緑が広がる景色となります。

周囲の応援や援助を受けて、物事が達成できる傾向が出ます。

一つの事が、どんどん進むかもしれません。また、たくさんの事を同時進行できるかもしれません。

ただし、「土」が弱い場合は、プレッシャーを感じやすい傾向が出ます。

 

⑦「庚」に「丁」

刀鍛冶が、刀を火に焼いて名刀を作る景色となります。

「庚」にとって「丁」はやりがいを感じる十干です。

元々「庚」は、鍛えられる事を喜びます。充実感も感じます。

ただし、「水」が同座する場合は「火」と「水」が戦うために、焦燥感を感じやすくなります。

 

⑧「辛」に「丙」

宝石が太陽に照らされる景色となります。

「辛」は、どんな状況であっても、剋される事を嫌います。

「辛」は、誰にも邪魔されずに、自分らしく輝いていたいと思っているからです。

邪魔者に対して、イラッとします。

また、あれこれ言われると、余計にこだわりが強くなっていく傾向が出ます。

 

⑨「壬」に「己」

畑を勢いのある水が襲う景色となります。

この関係は「己土濁壬」と言われ、凶作用が強く出ると言われます。

作物が実る畑を、濁流が飲み込んでしまい、全てを台無しにしてしまいます。

築き上げた人間関係や地位を、感情的になってしまうことで失ってしまう傾向が出ます。

感情的にならない様に、「水」をコントロールする事が大事です。

 

⑩「癸」に「戊」

山に降る雨の景色となります。

「癸」は、どのような場合でも、「土」に剋される事を嫌います。

なので、負担や葛藤を感じやすい傾向が出ます。

ただし、命式に「壬」がある場合(日主と隣接している場合が良い)「水」の勢いが強まるために、さほど負担や葛藤は感じません。

 

 

偏官と正官の違いは

「偏官」・・・わかりやすい規制を受ける 自分の意思を、純粋に貫こうとする

「正官」・・・周囲の意見に抑制される 状況を見ながら上手く立ち回る

 

 

「官星」は、「官殺」とも言われます。

日主にとっては、あまり有り難くない気になります。

 

ただし、それは、一方的にやられてしまう場合だけ。

反対に、やっつけてしまえば良いのです。

 

まさに、「ラスボス」との戦いです。

しっかりと、準備をして、作戦を練って、勝負に向かいましょう!

 

 

2020年・2021年は、「金」が巡りました。

日主「甲」「乙」さんにとっては、試練の「官星」が巡っていたのです。

そろそろ、ラスボスとの戦いも終わりますよ。

お疲れ様でした!

 

 

2022年・2023年は、「水」が巡ります。

日主「丙」「丁」さんは、「官星」が巡る年周りとなります。

ラスボスとの戦いが始まりますよ。

いざ、勝負へ!

火力の調節を忘れなければ、大丈夫です。