「初心」に戻れた日:「緊張」と「不安」の波を乗りこなす:「占い」を仕事にする
「ご無沙汰しています。鑑定をしてもらってから、色々と壁を乗り越える事ができて、心機一転、スタートを切ることになりました。」
それは、本当に嬉しい「報告」でした。
そして、鑑定の時にお渡ししていたメモを、ずっと大切に持っていてくださっていたことも、とっても嬉しくて、「もう少し綺麗な字で書けたらもっと良かったかも」と、走り書きのメモの文字が少し恥ずかしくもあり・・・。「今度からは綺麗に書こう」と、密かな決意をしました。
壁を乗り越えたのは、自分の力で。
心機一転の決意をしたのは、自分の心が。
スタートの一歩を踏み出したのは、自分の足で。
だから、「鑑定」は、背中を押したにすぎません。
でも、きっかけの一つになって、お役に立てたのは、本当に嬉しいことです。
この仕事を本格的に始めて、七年が経ちました。
充実している反面、やはり「怖さ」があります。それは「人」と関わる仕事をしている方に共通する「怖さ」だと思います。人に関わるということは、人の人生に多少なりとも「影響」を及ぼしていることです。
私と「出会う」ことで、良い方向に進んでいただけるかどうかは、年月が経たないとわからないし、残念ながら、そうではなかったことも、きっとあるはずです。
だからこそ、いつも「初心」を忘れずに。毎日「初心者」の気持ちを持ち続けたいと考えています。
嬉しいご報告をしてくださった、素敵な「笑顔」を見ながら、あらためて、その事を感じました。
仕事が煮詰まってしまった時や、疲れた時に、いつも思い出す「出来事」があります。
鑑定士として仕事を始めて3年経ったある日のこと。朝、目がさめると、声が全く出なくなっていたのです。
突然の出来事にびっくりして、すぐに病院に行ったけど、原因は分からず。
「喋りすぎて、喉が疲れたのかもしれませんね」
という診断を受け、喉の炎症を抑えるために、軽めの抗生剤を処方してもらい「落ち着くまでなるべく喋らないこと」と指導を受け帰宅しました。
その日は仕事を休み、一日安静にして過ごし、結局三日間、まともに声がでない日が続きました。
その頃の私は、毎日のようにお客様とお会いし、毎日のように鑑定をしていました。
様々なご相談を受けながら、その方にとってベストな決断をしてもらいたいを思いながら、「私の思い」を言葉にして、一生懸命お伝えしていました。
笑顔で帰っていかれるお客様を見ながら「この仕事、このまま続けていけたらいいな」と思っていました。
でも実は、全く逆の気持ちも、私の中で芽生えていたのです。
「仕事を辞める決意ができました」
「転職しました」
「お引越ししました」
大きな決断の「報告」を受けるたび
「もしかしたら、私はとんでもないことをしてしまったかもしれない。」
そんな思いが、ふつふつと、湧き上がってくるのです。
人の人生について触れ、心の内側を覗く。
鑑定をする「怖さ」を痛感し、「この仕事をこのまま続けていっても良いのだろうか」と胸が押しつぶされそうな気持ちになっていったのです。
幸いなことに、4日目からは、何事もなかったかのように、喉の調子も良くなり、声も出るようになったため、仕事にも無事復帰することができました。
突然「声」が出なくなったのは、今となっては、何が原因かわからないし、きっと、色々な状況が重なってのことだったのだろうと思います。
喋りすぎの喉の疲れや、体の疲労、そして、緊張感や、不安感など。積み重なっていき、「そろそろちょっと休憩しよう」とストップがかかったのだと思います。
声が出なかった3日間、私が何を思っていたのかというと、
実は、何も考えていませんでした。
これからどうなるのかとか、仕事いつまで休まなくてはいけないのかとか、全く考えていなくて、テレビを観たり、本を読んだり。しゃべれないから、しゃべらなくて良いし、ちょっと気が楽になった感じでした。
3日目には、声が出たので、だから、大したことなかったし、「リフレッシュ休暇」みたいに呑気に受け止められたのだとは思っています。
なるようにしかならないし
きっと、大丈夫
そして、「声が出たら、すぐに仕事に戻りたいな」と、やっぱりこのまま続けていきたいんだと、自分の気持ちを再確認する事ができました。
そして、少しだけ、自分が「大きく」なれた気がしたのです。
今でも、毎日「緊張」して仕事をしています。
そして、毎日「不安」になります。
スクールの前日には、「ちゃんと伝える事ができるかな」と緊張します。
スクールが終わると、「ちゃんと伝える事ができたかな」と不安になります。
鑑定の前日には、「しっかりお客様に向き合えるかな」と緊張します。
鑑定が終わると、「しっかりお客様に向き合えたかな」と不安になります。
ブログを書くときも、書いた後も、企画を練るときも、練って形にして進み始めてからも、「緊張」と「不安」の繰り返しです。
そして、その「繰り返し」があるからこそ、少しずつ、ほんの小さな少しかもしれないけど、自分が「大きく」なれていくのだと思います。
大きな決断をされたお客様には、「声が出なくなった事件」の事を、少しだけ「話を盛って」、面白おかしく伝えます。
「話を盛る」のは、笑ってもらいたいからです。
何かを始めると、必ず「壁」にぶつかります。
何かを始めると、必ず「緊張」と「不安」に押しつぶされそうになります。
そんな時に、「声が出なくなった事件」のことを思い出してもらえたら、
なるようにしかならないし
きっと大丈夫
そんな気持ちになってもらえるかな、なってもらいたいなと思っています。
そして、「声が出なくなった事件」よりも、もっと笑える「事件」が起こって、それを話せる時には、きっと、とても「大きな」自分になっています。
今日は本当にありがとうございました。
今までより、もっと大きい「緊張」と「不安」も乗り越えていける気持ちになりました。