「全て」はそこにあるから、後は自分で体感するだけ:天人合一:「気」を意識すると「核」がはっきりと見えてくる
令和元年の初日 5月1日に、海と庭に遊ぶ日本茶庭園カフェ「茶宗天地」(CHASO-AMETSUCHI) が、オープンしました。
古い民家をリノベーションしたお店は、オーナーご夫婦の「こだわり」の詰まった空間です。
宇部市内から、車で20分くらい。海に向かって車を走らせ到着しました。
この日は、あいにくの雨。
でも、お店に着いた時には、雨は止んでいました。
鉄瓶のまろやかなお水を使って、一杯ずつ、丁寧に、急須でお茶を入れてもらえました。
奥様は、マクロビの知識が豊富。
体に優しい材料を吟味して、焼き菓子を作られます。
ランチメニューはありませんが、「酵素玄米茶粥」がいただけます。
「茶粥」とは、山口県宇部市の「ソウルフード」です。
地域の集まりがあったり、何かの時には、「茶粥でもどうぞ」と言って、振舞われます。
お店オリジナルの「野草茶」をいただきました。
甘みが「濃い」、しっかりとした香りと味で、でもとても飲みやすいお茶です。
野に力強く根を張り、育った野草は、とてもエネルギッシュで、「地に足の着いた」安定感のある力を与えてくれた気がしました。
この日のお天気は、とにかく目まぐるしく移り変わりました。
お店に着いた時には、「もう、傘いらないね」と思うような晴れ間が一瞬広がりました。
海の見えるカウンターの席からは、対岸の建物もはっきり見えていたと思いきや・・・
ゴロゴロ雷が鳴り始め、対岸は、黒い雲に覆われて、そして、雨がひどく降っているように、みるみるうちに、真っ白に霞んでしまいました。
それから、雨はこっちにどんどん寄ってきて、たちまち大粒の雨がボトボト降り・・
困ったなあと思っていたら、あっという間に、空が明るくなっていき、所々青い空が広がってみたり。
そうかと思えば、また黒い雲が・・・
「全てのお天気」を窓から眺めながら、お茶をいただきました。
満潮だった海も、あっという間に潮が引いていき、最初は聞こえていた波の音も、遠くに離れていってしまいました。
あまりにも荒々しく変化するお天気を眺めていると、「人」も同じように荒々しく「変化」していて、自分自身に「翻弄」されるのか、いかなる時にも「対処」できる自分自身になるのか、選択を迫られているのかもしれないと感じたのです。
今、「人」は、何が起きてもブレない「核」があるかどうか、試されているのかもしれない。
そんな風に思えてきたのです。
それはなぜかというと、全ては「気」でできていて、「大自然」も、「人」も、同じ「気」の集まりであり、よって、「自然界」で起きていることは、「人」にも起きているから(天人合一)です。
五感だと思って感じているものが、本当に自分の五感なのか。
もう一度、確認する時期にきているのかもしれません。
「瞑想」は、大自然の気とつながる体感ができ、外から「自分」を静観する事ができるため、気持ちが落ち着いたり、五感をクリアにする事ができると言われています。
効果を実感するためには、正しい瞑想法を知る事が大切ですが、「概念」の世界観は、人によって感じ方が様々なので、うまく伝えることはとても難しいことです。
瞑想がどのようなものなのか、わかりやすく説明した話があります。
ある賢者が弟子たちに瞑想について、それはどういうものかと質問を受けました。
「それは、ふるいで水を満たすようなものです。」と賢者は答えます。
弟子たちは、ますます分からなくてなってしまいました。なぜなら、ふるいで水をすくうのは、不可能だからです。
一人の弟子が、改めて、賢者に質問しました。
「それは、どういうことでしょう?」
すると、賢者はその弟子を海に連れていき、弟子が見ている前で、ふるいを海に投げ込んだのです。そして賢者は言いました。
「これでふるいは水で満たされました。そして永遠に満たされます。」そして賢者は続けます。
「瞑想とは、精神を少しずつすくうものではなく、精神の海に入って、日々そこに浸っているということなのですよ。」
<「脳にいいことだけをやりなさい」マーシー・シャイモ(著) 茂木健一郎(訳)/三笠書房 より抜粋>
物事は、「両方・反対」から見てみると、「核」が、「ここにいるよ」と、しっかりと主張してくれます。
煮詰まった時は、たいてい、視野が狭くなっていて、片方でしか見えなくなっている時です。
うまくいっている時、「片方だけの視野」はその人の個性であり、最高の売りなので、しっかりと偏って片方だけ、穴があくほど見つめる。でも、そうではない時には、仕切り直して、気分を変えて、思い切って視野を広げてみる。そうすると、偏りの向かっている先が、あまりにも偏りすぎていて、「これじゃあ無理なのも仕方ない」と気がつく事ができます。
一日のうちに、少しでも、「精神の海に浸る」時間を持ってみる。
大切な「核」に、一日に一度でも「今日も元気だね」と生存確認をする。
大切なものは、大切に扱わないと、ヘソを曲げてしまって、どこかに行ってしまうかもしれない。
ゆっくりと丁寧にいれたお茶を楽しむ時間は、つかの間の「精神の海」に浸る時間を味わえました。
自分を大切にする時間、自分を喜ばせる時間。
五感を解放して一服のお茶を心行くまでゆっくりと味わう。
時を止め、感覚だけを頼りに自分を解放する。
海の青
木々の緑
鳥のさえずり
波の音
茶葉から漂う青々しい香り
そんなすべてが味わえる場所
それがここ茶宗天地です。
(茶宗天地リーフレットより抜粋)
山口県宇部市東岐波251ー1
営業時間 10:00〜17:00
定休日 毎週火曜・水曜
「全ての気」をご馳走様でした。