
ため息は幸せを逃す?それとも新しい幸せを呼び込む?
若い頃、「ため息をつくと幸せが逃げるよ」と職場の先輩に注意されたことがあります。多分、残業したくないあまりにやる気になさが全面に出ていたのかもしれないですが・・・。昔からよく耳にするこの言葉には、緊張感を保つための教訓が込められていたのかもしれません。しかし、最近では、ため息に対する捉え方も変化してきているようです。ため息というか、大きく息を吐き出すことは、呼吸をしっかりすることにつながるので大事なことなのだそうです。
ヨガのレッスン中、先生から
「ため息をつくと体が緩みます。緊張が続いて疲れたと感じた時、大きなため息をつくと良いですよ。」
と、教えていただきました。
昔の考え方と今の考え方の違いが面白いなと思いました。
ため息と緊張感:昔の考え方
昔、「ため息をつくと幸せが逃げる」と言われたのは、特に仕事や緊張感を保つべき場面でのことでした。私自身も、若い頃に職場で注意を受けたように、少し無理をしてでも緊張感を持ちながら集中することが求められる場面では、ため息はやはりその場の空気を悪くしますよね。
ため息をつくことで、気持ちが緩んだり、集中力が途切れたりする可能性があるため、「幸せが逃げる」という表現で戒められていたのだと思います。
当時の価値観では、ため息は「頑張りを放棄するサイン」と捉えられることが多かったのかもしれません。
ため息が体にもたらす効果:今の考え方
一方で、最近ではため息のポジティブな効果が注目されています。
ため息をつくことは、体に溜まった緊張を解きほぐすリラックスのサインでもあります。深いため息をつくことで、自然と呼吸が深まり、副交感神経が優位になります。これにより、体がリラックスし、心の疲れも軽減されると言われています。
交感神経が優位になりやすい現在、意識をして緩めないと、副交感神経のスイッチが入りにくくなってしまいますよね。
ため息と「手放し」の効果
ため息は、単に体を緩めるだけではなく、「手放し」の象徴とも言えます。何かを手放すと、新しいものが入ってくる――これは古くからの東洋思想の考え方でもあります。
ため息をつくことは、体内に溜まった二酸化炭素を吐き出し、肺の中を空っぽにする行為です。そして、次に新鮮な空気を吸い込むことで、新たなエネルギーを取り入れることができます。この「吐き出して空っぽにする」行為が、心身にポジティブな変化をもたらすのです。
幸せは変化するもの
かつては、「幸せをたくさん持つこと」が吉とされていました。幸せとは固定された状態であり、失わないように守るべきものと考えられていたのです。だからこそ、「ため息をつくと幸せが逃げる」という教えが生まれたのでしょう。
しかし、現代の価値観は変わりつつあります。今では「持たないこと」や「変わり続けること」が吉とされる時代です。幸せもまた、固定された状態ではなく、流動的なものと考えられるようになってきました。
ため息をついて持っている幸せが逃げてしまったとしても、その後には新しい幸せが訪れるかもしれません。幸せは一時的なものであり、形を変えながら私たちの人生に訪れるものだと捉えると、ため息をつく行為は、新しい幸せを掴む準備なのかもしれないですね。
ため息を活用して幸せを呼び込む
ため息を「幸せを逃すもの」と捉えるのではなく、「新しい幸せを呼び込む準備」として活用して、じゃんじゃん幸せを掴みたいですね。以下の方法を試してみると、ため息の効果をより実感できるかもしれません。
- 深いため息を意識的にする
静かな場所でリラックスし、深く息を吐き出してみましょう。体が緩み、心も軽くなります。 - ため息の後に新しい息を吸い込むことを意識する
深いため息をついた後、ゆっくりと新鮮な空気を吸い込みます。この瞬間、新しいエネルギーが体に満ちるのを感じてみましょう。 - ため息を手放しのサインと考える
ため息をつくことで、疲れやストレス、不安を手放すイメージを持ちます。その後には、新しい感情や気づきが訪れることを期待してみてください。
ため息は変化の一歩
ため息には、古いものを手放し、新しいものを呼び込む力があります。「幸せが逃げる」という考え方も、「新しい幸せを迎える準備」という視点に変えることで、ため息をポジティブな行為として捉えることができます。
ため息をつくことで心と体をリセットし、新しいエネルギーを取り入れることができるのです。緊張が続いている時や、疲れを感じる時には、意識的に深いため息をついてみてはいかがでしょうか。
幸せとは変化し続けるもの。だからこそ、ため息を味方につけて、日々の変化を楽しんでみたいですね。

