
「火気」を使いこなそう
日中の気温が鰻上りにあがり、梅雨を飛び越えて夏になってしまったかのよう。
身体が暑さに慣れていない時期は、真夏の時期よりも暑さにやられて体調を崩す人が多いそうです。
どうぞお気をつけてお過ごしくださいね。

五行の中で「熱」を持っている気は火気です。
火気は最も勢いが旺盛な象徴でもあります。
輝きを放ち、理想を現実の形にしていくための勢いを持っています。火気は行動の原動力。
現存する中国最古の医学書と言われる『横帝内経』には火気の五臓である「心」は「君主の官」であると記されています。つまり、生命の根源であり精神の働きも司っている考えられているのです。
今、熱い思いを持って前向きに進んで行けてるな、と感じられているなら、きっと自分を取り巻く火気が上手く使えているからだと思いますよ。
このままガンガン進んで行きましょうね!

では、火気が上手く使えないとどうなるのでしょうか。
上手く使えていない状態として二つあります。
それは、火気が強すぎる場合と、弱すぎる、または消えてしまっている場合です。
火気の勢いが強すぎると、まるで「沸騰しまくったやかん」の状態。
熱いだけでなく吹きこぼれの危険もある。吹きこぼれると周囲にも被害が及んで危ない。
このような場合になると、「情熱的」過ぎて落ち着きがなくなり、動いていないと不安を感じ、次々に手を広げて寝る間もなく行動してしまう傾向が出てきます。
反対に、火気が弱すぎると、「とろ火すぎる火でお湯を沸かそうとしているやかん」の状態。
いつまで待ってもお湯は沸かず、冷たい水のまま。時間ばかり経って一向にお湯が沸く気配がない。
この様な場合になると、気持ちがあってもあれこれ堂々巡りで動けない、動く気になれない。気持ちはどんどん重だるくなっていく。
いずれにしても、火加減を調整する必要があります。

四柱推命的に考えて、火加減をする場合の基本形は
・火気が強すぎる場合は金気を補い火気の勢いを抑える
・火気が弱すぎる場合は木気を補い火気を加勢する
火気と相剋関係は水気なので、水気を補いたくなりますが、それでは「水火激冲」が起きて、気が混乱すると考えるので使いません。怒り心頭、頭から湯気がたっているくらい怒っている人に対して、冷や水を浴びせる様な発言を投げかけると、ますます怒らせて事態が悪化していく様な感じですね。
具体的に人の行動に置き換えてみると
焦ってあれこれ手を伸ばし過ぎて夜も何度も目が覚めるくらい考え事が次々に浮かんでくる(火気過剰)場合は、まずは深呼吸(金五臓・肺)。新鮮な空気で肺をいっぱいにしてみる。
気持ちが落ち込み同じ事ばかり考え堂々巡りで動けない(火気消沈)場合は、まずは目を休める(木五官・目)。スマホを眺める時間を減らしてみる。蒸しタオルで目を温めてみるのも良い。
ほんの些細なことですが、全てには気で構成されているので、これがなかなか効くんですよ。
突然の大きな流れの変化は、急激な気の歪みも生じてしまいます。良いも悪いも振り幅が不安定。
「安心安全な開運行動」とは、日常の些細な行動を大切に丁寧に意識をして行なってみる。全てがゆっくりと揺らぐことで、穏やかに開運へと向かって動いていくのではないかと思うのです。

