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「エルグレコ」と「亀甲文字」・悠久の時を感じた旅

大原美術館に寄った後、お隣にある「エルグレコ」で休憩タイム。
混む時間帯を避けたおかげか、なんとか待たずに入店できました。

暑くなってきたので、冷たいコーヒーが美味しい。
ブルーベリーソースがたっぷりかかったレアチーズケーキは、ここのお店の人気スイーツです。
酸味が少なくまろやかなお味。
タルト部分はクラッカーの様な風味で、控えめな塩味が後味をさっぱりしてくれます。

緑が茂る今の季節は、お店全体が蔦に覆われていてなんとも可愛い。
冬は蔦が枯れてしまうので、外壁が顕になるそうです。
それもまた趣がありますね。見てみたいな。
喫茶店の店名の由来は、大原美術館に展示されている絵画、「受胎告知」の作者エル・グレコの名から大原美術館の孫三郎の長男である大原総一郎が命名したそうです。
店内には「受胎告知」の模写が飾られています。
エル・グレコの作品は、日本では、国立西洋美術館と大原美術館の2点しかないそう。
ゆっくり鑑賞できて、とても貴重な時間を過ごすことができました。


美術館もおすすめなんですが、占い好きな方には、工芸・東洋館もぜひ立ち寄っていただきたい場所です。
工芸・東洋館は敷地内にあり、同じ入場券で入ることができるのでお得ですよ。
なぜ、占い好きな方におすすめしたいのかというと、古今東西の民藝品の展示に混じって、占いに使った亀甲文字を刻んだ「骨」の展示があるからです。
東洋の占いの始まりは、動物の骨を火で炙り、高温になることで入ったヒビの「型」で運勢を読み解いていったと言われています。
ある意味とても「非科学的」であり「呪術的」。
そして、ヒビをどのように見立てたのかは、占い手によって判断が大きく違っていたはずなので、「解」もまちまちだったのではないかとも思うのです。
そもそも「占い」とは、そのように再現性がないものであり、「偶発的」な象意のみが「解」を決める決定権を握っていた。そして、人は、ただ、その偶発的」なものを受け入れるしかなかった。
今でこそ、「吉方位に出かけて運気をあげよう!」とか「開運行動をして運気をあげよう!」など、運気を利用して「思い通り」に事を進めるために「占い」が使われる傾向もありますが、骨に刻まれた亀甲文字を眺めていると、「願望」や「希望」も大事だけど、その日巡っている五行の組み合わせや、目の前に出たカードの絵柄をただ眺め、感じる「感性」も磨いていきたいと感じました。